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当館は、玄関から「長い廊下」が中庭を取り囲むようにして湯殿に入っていく構造になっております。
この廊下の両側に、いままでは浮世絵「東海道五十三次」(安藤広重作)が飾ってありました。
オープン以来、ほぼ5年が経過し、約200万人以上の方にご来館をいただきました。そこで「冨嶽三十六景」(葛飾北斎作)に切り替えようと早くから計画していました。
しかし、富士山がユネスコの世界遺産に登録される(2013年6月)ことになり、「冨嶽三十六景」等の富士山関係の浮世絵等は大変な人気で品薄状態になってしまい、やっと手に入れたという次第です。
葛飾北斎は、今から約250年前に生まれた江戸時代後期の浮世絵師で、世界的にも有名な画家であります。



富士山を主題としたこの北斎自身が一都七県を巡り土地の人々やその自然、暮らしと触れ合うことにより世界の美術史に打ち立てられた金字塔であります。
これが当時の江戸に於いて、大人気となり36枚で完了予定が10図追加されたと言われています。
北斎が、この絵を描いた年令が60代後半から70代前半ということで、その絵に対する恐ろしいまでの「情熱」が感じられます。
実は「東海道五十三次」の絵の中に、富士山が画面に入っているものは7枚あります。(今回この7枚は「南天の間」に、そしてこの「冨嶽三十六景」に追加の10図、さらにこの7枚を加えると、五十三次と同じ枚数になり、当館で用意している「額」の中にうまくあてはまるというわけです。「長い廊下」をそぞろ歩きしながら、その時、その時の気分で気に入った絵をご覧ください。きっと何かの発見があるかも知れません。
「発想の妙」「斬新な構図」「風景とその土地の人々の生活の関わり」何度見ても飽きない、見る度に新しい感動に出会える。それが「冨嶽三十六景」です。




尚、長い廊下の始まりのところに、この北斎が辿った一都七県の46地点の場所が明記してあります。皆様に特になじみの深い土地があるかも知れません。
ご来館の折は、是非確認しておいて下さい。