昔ながらの風情の中に「お風呂に富士山」というのが思い出されます。
味わい深いのか、綺麗なのか色々ありますが、浴槽のバックに富士山はピッタリのおさまりとなります。
東京出張時に、日本の象徴である美しい富士山が視野に入った時には無上の癒しと感銘を受けます。
さて話は変わりますが、小生の最近の楽しみの1つに学生時代の同級生の集まりがあります。春と秋の2回、日帰り温泉やゴルフ、時には一泊旅行をします。実はこの同級生と九州旅行をした時、富士山に助けられました。
指宿の砂風呂に入り、夕食で一席出来上がってから、二次会でカラオケの会場に移り、それぞれ自慢の一曲を歌うことになりました。
小生はオンチでセンスもないので、マイクが来たらいつでもどこでも十八番の「無錫旅情」(1986年リリース : 作詞・作曲 中山大三郎 / 歌手 尾形大作)と決めております。
ところがその日は、同級生にこの歌を先に歌われてしまいました。こんな経験は初めてでして、これは大変と思ったわけであります。しかも、万一の時はこれを歌おうと決めていた「北の旅人」も先に歌われてしまったのです。少々パニクりながら回ってきたカラオケ本の「ア」で始まるページに目をやったところ「愛国行進曲」という歌を見つけました。この歌は確か、中学の頃に聞いて心に残っていたノリのいい歌です。
「♪ 見よ 東海の空あけて 旭日高く輝けば ♪」という出だしの文句とメロディそのものは、何となく口ずさめた歌です。自分の順番という事で、やむを得ずこの歌をエントリーしました。
そして伴奏が流れ出したら、ままよと腹を決め、拳を握りしめ両足を踏ん張り、少々高い音で歌い始めました。
行進曲風の速いテンポで歌謡曲のこぶしも情緒も何もなくタンタンターンと進むリズムでしたが、意外と大昔に聞いて耳に残っている感じとカラオケの伴奏とが上手くのり合い、まずまずの出来となりました。
「♪ おお晴朗の朝雲に そびゆる富士の姿こそ ♪」というところは、テンポの良さと相まって富士山の美しい姿が目に浮かぶようでした。まさに富士山に救われてその場の面目を保ったことで、今でも忘れがたい「想い出」の一コマです。
最後に、無錫旅情の好きなフレーズを書かせていただきます。
「♪ 君の知らない 異国の街で~ ♪」 「♪ 太湖のほとり 無銭の街へ~ ♪」
ほんとうに、この歌も「心にぬくもり」を感じさせる大好きなメロディーです。皆様も一つや二つ好きな曲がありますよね。「みたすの湯」でそっと口ずさむとホッとしますよ。